chapter 22~ chapter 22 “夢” ~ 養女の話で私はますます不安定になって行った。 夜、上手く眠れなかった。 当時はPCなんて家庭になかったから、 真っ暗な部屋から月を見ながらタバコを吸ったりして夜を過ごした。 眠らずに1人でぼんやりしているとろくな発想は出てこない。 たまに眠れると怖い夢ばかり見た。 そのおかげで昼間はいつも眠かった。 私は学校に行ってはいたが遅刻が多く 学校に行っても授業にはほとんど出ていなかった。 保健室の先生は私の話をよく聞いてくれたし、 事情を知っていたので授業中に保健室のベッドで寝かせてくれていた。 保健室の先生とはよく話した。 昨日見た夢の話。 私が学校から帰ると私の部屋に血だまりが出来ていて 壁全面にも飛び散った跡があって真っ赤になっていて・・・ そして何故かそれが父のものだって事を夢の中で私は解っている。 そこに電話が鳴って、窓の外に見えるマンションの屋上から母がこっちを見ている。 父は母に殺されたんだと解って、怖くて母から見えない場所に隠れるけれど 電話を切っても母の笑い声が耳から消えない・・・。 そんな夢の話を。 目が覚めた時、部屋はいつもの通りで血なんてどこにもなかったけれど 父に何かあったんじゃないかと不安になった。 父の会社に電話をして無事を確認したかったが 本来なら私は学校に居なければいけない時間だったからやめた。 夜、いつものように父が帰ってきた時にようやくホッとした。 授業に出ていなかったのだから当然単位が足りなくなり、 このままだと卒業出来ないと言われた時、また伯母が助けてくれた。 学校まで来て校長と担任の前で必死に頭を下げ、 なんとか同学年の友達と同じ日に卒業式をさせてやって欲しいと頼んでくれた。 「この子は親の事でさんざん振り回されているんです。 この子は何にも悪くないんです。全て親の責任なんです・・・。 どうか私に免じて、どうにか友達と一緒に卒業させてやっていただきたい。」 補修を受け、どうにか単位をカバーした。 今でも伯母のおかげで卒業できたと思っている。 ◆chapter 22について(日記) へ ◆専門学校時代 へ |